選挙期間中多くの人が耳にする「ウグイス嬢」という言葉。選挙カーから流れる女性の声で、候補者名やスローガンを繰り返しアピールするあの声が印象的です。一方でこのウグイス嬢の男性版は「カラスボーイ」と呼ばれています。このユニークな名称の由来やその役割について、詳しく見ていきましょう。
「ウグイス嬢」とは?
ウグイス嬢とは元々はプロ野球の場内アナウンスを担当する女性を指していました。彼女たちの美しい声が「ウグイス」のさえずりに例えられたことから、この名前がつけられました。その後、選挙カーで候補者を応援する女性アナウンス役もウグイス嬢と呼ばれるようになり、現在に至っています。
「カラスボーイ」の由来
「カラスボーイ」は、ウグイス嬢の男性版として選挙運動における男性アナウンス担当者に与えられた俗称です。この名前の由来にはいくつかの説があります。一つ目は、彼らがよく黒いスーツを着ていることから「カラス」に例えられたという説です。選挙カーで声を張り上げる姿は、黒いスーツ姿がカラスを連想させ、そこから「カラスボーイ」という名称が定着しました。
もう一つの説は、その声に由来するものです。カラスボーイたちは、ウグイス嬢のような美声ではなく、低く通る声で候補者を応援します。そのため彼らの声がカラスの鳴き声に似ているとされ、「カラス」と呼ばれるようになったという説もあります。さらに街宣活動で声を枯らしてしまうことから、「枯らす」とカラスをかけた洒落だという説も存在しています。
カラスボーイの役割
カラスボーイの主な役割は、選挙カーでのアナウンスを通じて候補者の名前や政策を広く伝えることです。選挙カーでのアナウンスは公職選挙法によって、午前8時から午後8時までと制限されており、その時間内で効率的に候補者を宣伝する必要があります。また選挙運動の期間も限られており、その期間中に最大限の効果を発揮するために彼らの仕事は非常に重要です。
選挙運動は体力的にも厳しいもので、カラスボーイは日当として最大で15,000円ほどの報酬を得ることができます。選挙期間中に短期間でまとまった金額を稼ぐことができる一方で、選挙が頻繁に行われるわけではないため、カラスボーイの仕事だけで生計を立てることは難しいかもしれません。
カラスボーイになるには?
カラスボーイになるためには、特別な資格は必要ありませんが、公職選挙法の基本的な知識とアナウンス技術が求められます。特に公職選挙法では、選挙運動に関する厳しいルールが定められているため、これに違反しないようにするための知識は必須です。アナウンスに関しても候補者を効果的に宣伝できるような技術が求められます。
カラスボーイとして働くためには、選挙やイベントを専門に扱う人材派遣会社に登録するのが一般的です。これにより、選挙期間中だけでなく、イベントの司会など他の仕事にもつながることがあります。
まとめ
カラスボーイは、選挙カーでアナウンスを行う男性を指すユニークな名称であり、黒いスーツ姿や声にちなんで「カラス」という名がつけられています。選挙期間中、彼らの役割は非常に重要であり、選挙結果に大きな影響を与えることもあります。興味がある方は、人材派遣会社などを通じてカラスボーイとして選挙運動に参加してみるのも面白いかもしれません。